私は平成21年1月1日、前任者の斉藤隆康医師のあとを受けて、池袋えびすの郷の施設長に就任しました。現在私は69歳ですが、95歳になる要介護の母がおります。これまで40数年間、急性期病院で医療技術の研鑽と知識の吸収に精励してまいりましたが、介護老人保健施設(以下、老健施設)における医師の役割はどうあるべきか、今後勉強してまいります。
池袋えびすの郷は、幸い自治体や区民によるボランテイアなどの協力もあって、一般リハビリ設備は充実しており、とくに嚥下機能リハビリは他施設にない機能をもって運営されております。さらに医療ケアに関しても、私の他に非常勤医師の助けを頂きながら、月曜日から土曜日まで、全日、万全の態勢を敷いております。
老人保健法で定められた老健施設設立の趣旨は、医療機関から在宅介護へ至るまでの橋渡しの役割を担うことであります。決して医療機関ではありません。したがって私の役割は、在宅で介護にあたられるであろうご家族の身になって見守りをし、必要があると判断した時には、ご家族の協力を得ながら、しかるべき医療機関への受診を要請することになります。残念ならが、介護保健制度においては医療診断はもとより、健康保険を使っての治療行為はできません。
世界に類を見ない少子高齢化を経験している日本は、老後に対する不安が大きいといわれています。そのような中で創設された介護保健制度に対する国民の期待も、その分大きいものがあります。まだまだ未解決の難問を抱えておりますが、われわれは現場を通して利用者とその家族、ならびに施設スタッフが三位一体となって協力していくことで、より良いものに育てていく心構えが大切であると考えます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
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